開発秘話

ラカントの開発秘話

第3回 羅漢果の栽培方法

バイオケミカル研究所
博士(応用生命科学)
村田雄司

"良質な「羅漢果」の栽培に適した環境条件は、"亜熱帯の山岳地帯"です。つまり、

  1. 多い降雨量
  2. 高い相対湿度(多霧性気候)・日照時間
  3. 昼夜の高い温度差
  4. 腐植質の土質

などの条件があげられます。
羅漢果の開花期は6~8月で、雌雄異株で淡黄色の花をつけますが、羅漢果は昆虫による受粉が難しく人工授粉を行います。

野球場の数十倍もの膨大な土地に無限に近い数で咲く羅漢果の花に、一つ一つ手作業で花粉を付ける作業は、途方もない労力と根気がいる作業です。

その後、8~10月に実がなると、地中部分には塊茎を有して、蔓の長さは生長すると5mにも達するので、ちょうど葡萄畑のように棚を作って、水はけのいい山の斜面を利用して栽培されます。

ここ最近では、羅漢果の栽培量が増えているので、苗を植えて栽培する方法よりも細胞培養を用いた栽培法の研究が以前から進められてきました。

数年前から羅漢果は細胞培養での収穫が実施されるようになっていますが、以前のような山の急斜面を利用した栽培ではなく、平坦な畑で栽培することができるようになり、生産効率が向上しています。

収穫時期は10~11月で、手作業で丁寧に果実を一つ一つ収穫します。以前は、収穫した羅漢果果実を60kg以上も担いで、険しい山道をおりる農家のみなさんの姿には頭が下がる思いでした。
けれど、平坦な畑での栽培が可能になると、畑の近辺までトラックが入るので、作業効率が向上するようになりました。
とは言っても、羅漢果栽培は苗を植えてから人工受粉し、収穫できるまでには数百日もの日数が必要です。

近年、きわめて多くの食品に利用されている「合成系の甘味料」と比べると、羅漢果のような植物由来のものは、毎年安定した収穫が保証されているわけではありません。特に羅漢果栽培は、人手がかかりすぎて経費も大きいのですが、安全と安心には変えられないことと思っています。

通常の野菜や果物であれば収穫後に市場に出して収益を得ますが、羅漢果の場合は、さらに抽出・精製という大変労力のかかる工程が待ちかまえています。

この抽出・精製については、次回にご紹介させていただきます。

第2回 羅漢果の知られざる"名前の由来"と"産地・種類"

第4回 羅漢果の抽出方法